タオと海

デリック・リン

 

 

昔々、若い魚が年老いた魚に聞きました。「みんなが海と呼ばれるものについて話しています。海とは一体何ですか?」

年老いた賢明な魚は答えました。「海はおまえの周りを全部囲んでいるものだ。」

若い魚は理解できませんでした。「私の周りには何もありません。どうして私にはその海が見えないのですか?」

「もちろん、おまえには見えない。」と老いた魚は辛抱強く答えました。「海はおまえの内にも外にもある。おまえは海の中で生まれ、海の中で死ぬのだ。海はおまえを包んでいるんだよ。おまえの皮膚のようにね。」

    孔子はかつてこう言いました。「魚は水のなかで生きていることを忘れてしまう。
    人は
タオのなかで生きていることを忘れてしまう。」私たちすべては禅という海の
    なかで生きています。それは私たちの上を流れ、私たちの中にあり、私たちの周り
    にあります。それは皮膚のように私たちを包み込んでいるにもかかわらず、私たち
    はそれに気付きもしません。実際のところ、私たちのほとんどが、それが何である
    のかを知らないのです。禅を実態ある宇宙的流れとして考えてみましょう。それは
    私たちの禅に対する真の理解への更なる一歩となるはずです。